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10年間のフィリピン生活でわかったフィリピン人の文化や習慣とは?



フィリピン人の生活文化や習慣についてはいろいろなメディアやブログでご紹介されているのですが、

その中には本当のことを書いているものと、そうでないものがあり、ちょっとフィリピン人について誤解を招くような情報も多いと思います。

そこで今回、私が10年間フィリピンに暮らしてきて、一緒に暮らしたり、働いた人たちから学んだフィリピン人の生活文化や習慣についてデータなどを用いてご紹介します。 


フィリピン人は歌うのが大好き


夕方や週末になると、ビデオケで歌い上げる声があちこちから聞こえてきます。

フィリピンではこれが普通の風景です。

時々、音程が全く合っていない人もいますが、まったく気にせずに歌っています。

私の家にもビデオケがありますが、昔はよく歌っていました。

(言ってはいけないかもしれませんが)うちの奥さんはとても音痴です。

オリジナルとは別のキーで歌うので、何の曲かわからないし、カバーというよりパロディーになってしまいます。

でも奥さんは自分は上手だと思っていて、大きな声で歌います。

むしろ「私は歌が得意」と言い張るくらいですから、本当に前向きだなと感心します。

私は日本で会社員だったときに、一人でカラオケに行って練習していましたが、

奥さんの歌を聞いていると、そんなことをしていた自分がばからしいと思います。

お祝いやお祭りが大好き!


フィリピンでは家族の誕生日やクリスマスなどの宗教的なイベントを盛大に祝います。 
 
中にはパーティーのために借金をしたり、貯金をすべて使い果たす人もいます。

参加するだけなら楽しいですが、主催する側になると、かなりの出費になります。

例えば私の娘が1歳になったときに親戚一同でお祝いしたのですが

日本円で10万円もかかる準備をして、100人分の食事を用意して

豚の丸焼きを注文して、ビデオケを借りて準備万端だったのに、来たのは20人ほどでした。

費用を全部出した私は「仕方ない、フィリピンだから」と泣き寝入りしました。

クリスマスやフィエスタ(宗教的なお祭り)やハロウィンなど、お祝いごとは子供から大人までみんなで楽しみます。 これがフィリピン人の国民性と言えるでしょう。

自分の誕生日に周りの人にご馳走する


以前は誕生日が来ると憂鬱でした。

それはフィリピンでは誕生日の人が周りの人にごちそうする習慣があるからです。

多くのフィリピン人は自分の誕生日に高額なパーティーを開くようですが、お金がない人でも自分で料理を作って振る舞います。 これが職場でやるとなると、相当な金額になります。

100人くらいの部署だとしても、100ペソ(250円)分のランチを出すとしても1万ペソ(2万5000円)かかります。

職場によっては破産しそうな出費ですから、前の会社では上司が私の誕生日を祝うことを禁止してくれましたが、今の会社では自分の誕生日を秘密にしています。

男は働かない


フィリピンでは基本的に女性が働く国です。

信じられないかもしれませんが、私のフィリピンの親戚で仕事をしている男性は私だけです。

男性はほとんど家にいて、トライシクルで奥さんを送り迎えするくらいです。

私の職場のフィリピン人女性に「旦那さんは何をしているの?」と聞くと、ほとんどが「家にいる」と答えます。

でもこれはフィリピンだけのことではなく、東南アジアではどこも似たようなところがあります。

私が大学時代に付き合っていた彼女はアメリカに移住してきたタイの山岳部族モン族でしたが、

モン族もフィリピンと同じように男性は働かず、家で家事や子供の世話をして女性が働くという文化でした。

当時私が「なぜ男性は働かないの?」と聞いたら、

「男性は戦士だから、敵が襲ってきてもすぐに家を守れるようにするのが役目だ」

と、タイの山岳時代ならまだわかりますが、アメリカの都会に住んでいるお父さんが堂々と言っていました。

もしかするとフィリピンでも敵が襲ってくる可能性を考えて男性が家にいるのかもしれませんが、

ある日、7歳の娘にこんな質問をされました。

「なんでダディーは働くの?」

この哲学的な質問をするあたり、うちの子は天才なのかと思いましたが、

「親戚や友達のお父さんはみんな家にいるのに なんでお父さんだけ昼間家にいないで働いてるの?」という意味だと思い

一瞬言葉に詰まりましたが、「お父さんは日本人だから」と答えました。

フィリピン人の名前はスペイン時代の名残


フィリピン人の名前にはスペイン植民地時代の影響があります。

例えば、父親から息子に名前を受け継ぐ場合、JrやⅡなどを付けたり

女性の場合、「Anna Belle」や「Ronna Fe」など名前が二つあったりします。

一番特徴的なのは母親の姓がミドルネームになることです。

つまり、

例えば佐藤太郎さんとアナベル・サントスさんとの間に男の子が生まれ、「Ken(ケン)」という名前を付けた場合、

「Ken Santos Sato(ケン・サントス・サトウ)」になります。

そのため、フィリピン人の特に女性の名前は4つや5つになることもありますが、

娘が幼稚園に入る前に名前をアルファベットで書く練習をしていた

「ダディー!なんでわたしの名前こんなに長いの!」と怒って、「日本に行ったら2つだよ」と言いました。


お金が入ったらすぐに使ってしまう


フィリピンのスーパーでよく見る光景は、カートを2~3台も使って食料品を大量に買っている人たちです。

私は最初、「小売店のオーナーかな」と思っていましたが、そうではありませんでした。

フィリピンでは、中流以下の人たちは、お金が入ったらすぐに食料品や日用品を買いだめするという驚くべき習慣があります。

私も家の食料品や日用品の購入や光熱費やインターネットの支払いなどは任せていますが、

月初めに生活費を一括で渡すと、翌日には親戚の若者を連れて市場に出かけて、

段ボール箱にいっぱい詰めて帰ってきます。

その日は「店を開くつもりなの?」と聞きたくなるほど、家中が食料品や日用品であふれていますが、日に日に減っていって

月半ばにはほとんどなくなって、「パパ、お金がないよ」と言ってきます。

私の職場でも同じで、給料日の数日前に昼休みに見ると、ご飯に醤油だけかけて食べたり、一皿のおかずを何人もで分け合ったりしています。

給料日に一気に使ってしまって、次の給料日までしんどい生活をしている人が多いんだと思いますが、
これはフィリピン人の中でも低所得層の人たちに多い行動だと思います。


フィリピンでシャワーは水?


「南国のフィリピンでは水でシャワーを浴びる」と言われますが、これは本当ではありません。 温水ヒーターを設置する余裕がない家庭が多いため、「フィリピン人は水でシャワーを浴びる」というイメージがあるだけです。

私がフィリピン人の友人の家に行ったときも、シャワーヒーターがありました。

私の家でも引っ越したときはシャワーヒーターがなかったので、自分で買って取り付けましたが

私以外でも雨季や年末など気温が低い時期は温水でシャワーを浴びています。

もちろん、水でも平気な人もいますが、温水シャワーは「あれば便利」くらいの感覚なのだと思います。

ご飯は手で食べる


全てのフィリピン人がそうではありませんが、多くの人はご飯を手で食べる習慣があります。

私は子供たちに「箸を使え」とは言いませんが、せめてスプーンとフォークを使って食べるように教えていますが、

奥さんやメイド(ヤヤ)がご飯を手で食べるので、子供たちも手で食べてしまいます。この習慣を変えるのは難しいです。

トイレットペーパーは使わない?


これも「シャワーは水」と同じ理由です。

フィリピンではまだ多くの家庭でバケツやタルに水を溜めて洗うという方法を使っています。うちでも最近まではトイレットペーパーを私以外使っていませんでした。

これは水で洗うほうがお金がかからないからであって、トイレットペーパーを常備したりビデットを設置したりする余裕がないからです。

日本も昔は水洗トイレが普及していなかったように、フィリピンでも時間が経てば変わっていくと思います。

最近はフィリピンでも都会の中流家庭では、トイレットペーパーやビデット付きの洋式トイレが一般的になってきていますが、

田舎に行くと、まだ「手動洗浄式」が多いです。
 
でもいつかはトイレットペーパーも「一般的」になると思います。

フィリピン人は貯金をしない


フィリピン人は貯金をしないと言われますが、

2022年にフィリピンの中央銀行が行った調査によると、口座開設可能な年齢の人口の半分以下しか銀行口座を持っていないという驚きのデータがあります。

フィリピン国民の多くは貯金をしないどころか、銀行口座すら持っていないというのに驚きますが、その理由は、

銀行口座を開設しても「口座維持費を払えないからというものです。

確かに銀行口座を開設すると1年間で1000ペソ(約2500円)ほどかかりますし、この金額を入金していないと口座が閉じられてしまいます。この年間2500円を払えないから口座を持っていないというのは驚きです。

ですから、「フィリピン人は貯金をしない」のではなく、「貯金できない」人が多いというのが正しいと思います。

フィリピン人は子供をたくさん作るか?


2023年のフィリピンの出生率は女性1人当たり2.454人で、日本の出生率は1.26%でした。

数字だけ見ると「フィリピン人は日本人よりも子供を作る」と言えますが、「フィリピン人は子供をたくさん作る」とは言えません

(ちなみにフィリピンも毎年出生率は下がっています。)

実際に私の周りのフィリピン人は、子供が3人以上いる家庭は少なく、ほとんどが1人か2人です。

子供が多いのはスコーターエリアや田舎の漁村や農村など、低所得者が多く住む場所です。

2023年現在、フィリピンの貧困率13%のうち、その多くが地方の農村や漁村部に集中しています。

これはフィリピンに限らず、多くの東南アジアやアフリカ諸国でも同じで、貧困層ほど子供を多く作る傾向にあります。その理由は、

「子供をたくさん作って、将来その子供たちに働いてもらって養ってもらう」という考え方があるからです。

でも実際に子供を多く作ったら、将来お金持ちになれるわけではありません。




先のことを考えない「今がよければ」良い


フィリピンで長く暮らしてきて、気づいたことの一つは「先読み」してリスク管理をできる人が少ないということです。

例えば、フィリピン人の家に行って、「屋根に穴が開いてるよ」と指摘すると、

家主は「こんな晴れた日に雨なんて降らないよ」と笑っていますが、

私は「雨が降る前に直したほうがいいんじゃない?」と言っていますが、全く伝わりません。

ほかにもうちのメイド(ヤヤ)さんが働き始めたころに、「お米や野菜がなくなる数日前に教えてね」と何度言っても

仕事から疲れて帰ると、「おかずがない」とか「米がなくなった」と言ってきて、買いに行かなければなりませんでした。

定期的に毎朝私が出勤前に冷蔵庫や米の量を確認するようにしていました。

残念なことに、職場でも同じことが言えます。

例えば、以前私が働いていた職場では雨が降ると遅刻者が増え、傘もささずにびしょ濡れで来る人が多くいて

遅刻理由に「雨が降ったから」と書いているのを見ると、驚きました。

雨が降るなんて当たり前なんだから、30分早く家を出ればいいだけなのに・・と。。

さらにリスク管理についてフィリピン人の現場責任者たちに何度説明しようとしても、

「サー、今、その問題が起きてないんだったら、別にいいじゃないですか?」

・・と理解してもらうのが本当に大変でした。

しかし、この「先を予測する」という考え方は年齢や世代によっても違うと思います。

私の父は民俗学や世界史を趣味で研究していますが、

「世界の歴史を見ても文明が発達してきたのは、欧米や日本など寒い地域にある国だったのは

寒くて毎年雪が降るような地域では、夏の暖かいうちにその年の冬のことを考えて、

食べ物を備蓄したり、火をおこすまきを用意したり「常に先の事を考えていかないと生きていけなかった」からで、

逆に赤道付近の年中暖かい地域では食べ物が豊富でいつでも手に入ったので、別に先のことを考えなくても生きてこれたのでこれまで文明がほとんど発達してこなかった」

という考え方を持っています。

これをもとにすれば、

「フィリピン人は先の事を考えない」理由として、

フィリピンは大昔から年中暖かく、食べ物も豊富で別に先の事を考えなくても生きてこれたので、

それが今でもフィリピン人の遺伝子の中に組み込まれているとすれば、納得がいくと思います。

しかし、フィリピンも今はグローバル化の波に乗って、経済や教育が発展しています

特に若い世代はインターネットやSNSを通じて、世界の情報や知識に触れる機会が増えています。

そのため、先を見越して計画や準備をするというスキルや意識も高まっていると思います。

現在の職場でも若いフィリピン人のスタッフは、雨の日でも遅刻しなませんし、問題が起きる前に対策を考えて提案してくれます。

私は彼らに「先を予測する」ということの大切さを教えたわけではありませんが、彼らは自分で学んで身につけてきたのだと思います。

まとめ


今回はフィリピンの生活文化や習慣、国民性などについて書かれているメディアで

よく取り上げられているトピックを中心に、

私がフィリピンに10年近く暮らしてきたなかで、「いや、それはちょっと違うんじゃない?」

と感じたことをまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか?

ただ、こういった生活文化や習慣などは年代や収入によっても変わると思いますし、

今後フィリピンでも長い年月を経て変わっていくのではないかと思います。

 
 
PH.navi

フィリピン生活を送っているサラリーマン兼ブロガー@shoheybeatzです。大学をアメリカで過ごし、卒業後日本で働いたあとタイへ移住し、東南アジアを陸路で横断後フィリピンに移住。現在、現地の日系企業で働きながら2児のパパとして子育てに奮闘中。

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