皆さんは、ご自身のことを貧乏だと思ったりしますか?
例えば月数回はお金がなくて食事ができないという状況かどうかです。
フィリピンで2023年3月に実施したアンケートでは、回答者の半数が「貧困」だと自己評価しているという結果が発表されました。
今回はそんな貧困生活を送る人々が多く暮らしている『Squatter(スコーター)エリア』というフィリピンのいたるところにある貧困エリアやスラム街に行き、
そのときに見た光景や体験についてご紹介したいと思います。
フィリピンの貧困生活とは?
まずフィリピンの貧困層がどれ程の生活なのかと言うことから話したいと思います。
フィリピンの統計データによれば、
1日あたりの収入が 1.25 ドル(179.91円)未満の世帯が3,000万世帯あり、その中には1ドル未満の世帯が1,000万世帯いると推定されています。
100円ちょっとでどうやって暮らすんだろう?
・・と思いますが、ローカルのマーケットに行けば、米1キロ40ペソ(約100円)くらいで売っているため米は食べられるとは思いますが、
実際にはその日の食事もろくに食べることができない人が多いようです。
私もこの貧困層の人たちがいる場所を何度も訪れているので、どんな場所なのか、その暮らしについてご紹介します。
スコーターエリアとは?
まずこのエリアがどういう場所かと言うところから説明しますと、
低所得者や不法占拠者の人たちが住んでいるエリアのことを指します。
マニラのトンド地区が有名ですが、フィリピン国内の至る所に同じようなスコーターエリアがあり、私が住んでいるアンヘレス市にも当然何か所かあります。
アンヘレス市スコーターエリア
アンヘレスのスコーターのひとつは、クラーク経済特区に近いコリアンタウンからフレンドシップハイウェイをアンヘレスのパンパン地区に向かう途中にアヌナスというバランガイがあります。
そこに向かう途中に橋があり、そこを通るとよく子供たちが「何か食べるもの頂戴・・」という仕草をするんですが、
その子どもたちが住んでいるのは、橋の下を見下ろすとバラック小屋のような建物がいくつもあるのが見えるのですが
そこが付近のフィリピン人が「スコーター」と呼んでいるエリアです。
実はこの場所に私の奥さんのおばさんが住んでいて、付き合い始めたころから現在に至るまで何度も足を運んでいるのですが、
今回はそのアンヘレスのスコーターの貧困生活の実態についてご紹介します。
スコーターエリアの貧困生活
今でこそ見慣れた光景ですが、初めてその場所にいったときは衝撃を覚えました。
「世の中にこんなひどい場所があるのかと・・。」
まず最初に感じるのは、つーんと鼻の奥が痛くなるようなアンモニアの匂いがあります。
恐らく、下水の処理をしないで人が歩いている通路の溝に家庭用水やトイレをそのまま垂れ流しているからだと思いますが、
歩いていると気持ち悪くなるくらいの匂いがあるのですが、そこに住んでいる人たちは何ともないらしいです。
(私も何度か通って叔母さんの家に泊まっているうちに慣れました。)
あと辺りはゴミだらけで汚いです。
瓶とかプラスチックとか、ガラスの破片とか色んなゴミがあたりに散乱していて、犬の糞とかそこら中にあって、踏みないように歩きながらあたりを見渡すと、
そんなところを小さな子供たちが裸足で走り回ったり、地べたに座ってゲームをしていたり、
放射能汚染でも受けたような見た目の皮膚病の犬や猫が溝に流れている水を飲んだり、周りのごみを漁っている風景が目に入ってきます。
スコーターエリアの人々
スコーターエリアには大勢の女性や子供が暮らしています。
ちょうど、叔母さんのサリサリストアの周りにはいくつのもお店が並んでいて、よく子供たちが走り回って遊んでいます。
昼ぐらいになると10歳くらいの子供たちが通りの水道の蛇口で水浴びをしている風景が見られます。
たぶん2歳か3歳くらいの子供かなと思うんですが、裸で歩いているそのすぐ後ろに、若いお母さんがいて、子供がゴミとかを取って食べようとする度に持っているハンガーで「ペシッ」とその子供の太ももや手をたたく音が聞こえたり、
夕方になり涼しくなると、サリサリストアの向いに住んでいるおじいさん(タタイと呼んでいる)が溝のどぶさらいをしていたり、
路上に腰を掛けた中年の女性が二人でお喋りをしながらお互いの髪の毛についたノミをとりあっています。
とにかく狭い
この場所に来てもう一つ驚くのが、とにかく狭いところに人が密集しているということです。
日中など、車が一台通れるくらいの狭い通路には足の踏み場もないくらい人や物、犬猫が密集していて、道路わきにはフィリピンでよく見かける炭火焼のバーベキューやスクイッドボールを売っていたり、
そんな狭い道をトライシクルやトラックが通るんですが、そのたびに歩いている人は路地に入って道を開けないと通れないんですが、
そのまたさらにその路地は人がすれ違いできるか、できないかの細い道でその先にも家があって、大勢の人が住んでました。
この場所にある家はほとんどがコンクリートの壁にトタンの屋根が一般的で、隣の家とのスペースはほぼない感じで接していて、叔母さんの家も後ろの家と壁一枚隔ててるだけなので、隣人の声が丸聞こえです。
この小さいスペースに何人住んでいるんだというくらい、3、4畳くらいのスペースに5~8人もしかしたらそれ以上の人が住んでいるようでした。
スコーターに住む人々の職業
このスコーターエリアで叔母さんがやっているサリサリストアは中々繁盛しているようで、一番の売れ筋はなんと言っても氷と酒、あとタバコです。
ここではほとんどの男性は朝から酒を飲んでいるか、闘鶏などのギャンブルをやっていて、私も何度か近所の人たちに誘われたんですが、変な味のするかなりきついお酒を頂いたことがあります。
何をやって生計を立ててるんだろうといつも思うんですが、話をきくとだいたい男性はほとんど仕事をしていないらしいです。
仕事をしている人はほとんどが日雇いの工事現場で働いていたり、トライシクルドライバーや中にはガードマンという人もいました。
若い女性は夕方に化粧をして旦那さんが運転するバイクに乗って出掛けるのをよく見かけましたが、
私が家に帰るときに送ってくれた隣のお兄さんが路上で客を取っている奥さんらしい女性をを拾ってましたので、女性は売春をしてお金を稼いでいるようでした。
またモノ売りをしたり、お店をやっている人も多く、叔母さんが店を構えているエリアにはサリサリストアが乱立しています。
またクラークにある企業に勤めている人も多いようで、以前スコーターエリアを歩いていると、
「Hello Sir!」と外で数人と飲んでいる若い男性に声を掛けられることがあり、話してみると当時私が働いていた会社の従業員ということで貧困層の人たちだけでなく、低所得層の人たちもスコーターに大勢すんでいるようです。
治安が良くないのか?
これについてかなり疑問に感じました。
なぜかというと、ほとんど毎日のように子供たちだけで夜10時くらいまで外で遊んでいましたので本当に危ないとしたら、親はかなり無責任です。
ただし、私のような日本人が全くいないので、珍しいのか視線をかなり感じます。(自意識過剰ではなく)
またフィリピン人の友人にその場所に行ったと言ったところ、外国人が絶対に一人でいったらダメだと注意されたのでやはり治安は悪いのだと思います。
聞いた話によれば、その場所では薬物が売られているとか、殺人を犯した人が逃げ込んでも地元の警察も入ってこれないとか話はきくのですが、
私自身怖い目にあっていないため、その実感はありませんが地元のローカルの人たちも近づかないような場所で大勢の人たちが今も暮らしています。
まとめ
1日あたりの収入が 1.25 ドル(179.91円)未満の世帯が3,000万世帯あるというフィリピンにらその日の食事もままならない人々が大勢います。
そんな貧困層の人たちが大勢住んでいるスラム『スコーター』は汚臭が漂いゴミが散乱しているストリートを子どもたちが裸足で走り回っているようなところです。
そこに暮らす人々は収入源が少なく、女性はモノ売りや売春をしている人たちも少なくありません。
そんなスコーターは麻薬や犯罪者の逃亡先になるなど危険地帯となり、地元の人も近づかないような場所で今も多くの人々が暮らしています。
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